ロス・メモリアル・ミュージアム
カナダ東海岸の高級リゾート地として知られるNB州セント・アンドリュースの

『ロス・メモリアル・ミュージアム』へ行って来ました。

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このレンガ造りの建物は、米国の独立戦争をきっかけに北(カナダ)に移住した

『ロイヤリスト』が1824年に建てた住居です。

余談ですが、この小さな町にはロイヤリストたちが建てた上の写真のような

ジョージアン期(1714~1830)の古い家々が至る所に見受けられ、素晴らしい

ことにそのほとんどは今も町民が住んでいます。


話を戻して、このレンガ造りの家を1938年に購入したのが、ヘンリー&ジュリ

エット・ロス夫妻。

米国出身の大変裕福なロス夫妻は、セント・アンドリュースの美しさに魅了され

1902年からこの町に滞在していたのですが、この家は自分たちで収集した

美術コレクションを展示するために購入しました。

夫妻が収集したのは世界中を自ら旅して集めたエキゾチックな美術品。

加えて夫妻は、当時あまり価値が高くなかった地元ニュー・ブランズウィック製の

木製家具に注目し積極的に収集しました。

そのためこの美術館の展示内容は、当時の地元の家具職人の腕の良さ、

質の高さを後世に伝えることができる大変意義深いものとなっています。


早速お邪魔してみましょう。

まずは玄関ドアのドアノブチェックから。

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(米サーゲント社のブロンズドアノブ。1890年製)


正面玄関の天井には美しいガソリア(ガス・シャンデリア)が。

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両壁にはロス夫妻の肖像画が飾られていました。

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夫妻には子どもがいなかったので、この美術館の収蔵品はすべて町に

寄贈されています。

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1階のダイニング・ルーム。

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18~20世紀初頭に作られた北米家具、夫妻自ら中東で購入したオリエンタル絨毯、

北米画家による絵画が上手くミックスされた調和の取れたインテリアとなっています。


2階の主寝室。

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ベッドは1912年にNS州ハリファックスで購入したもの、マホガニー製の

椅子はNB州セント・ジョン市で作られたもの。

そして床にはペルシャ絨毯、中央のオリエンタルな円卓は夫妻が中国で

購入したものです。


日本の漆器もさりげなく飾られていました。

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こちらはゲスト用の寝室。

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ベッドの上に飾られてある油絵は、ヘンリー氏自ら描いたものなのだとか。

このように2階には立派な寝室がいくつかありますが、ロス夫妻はなんと

一度もこの家で一晩を過ごしたことがなかったそうです。

あくまでもこの家の購入目的は『美術品の展示』だったんですね。


そんなロス夫妻が世界中を旅して集めた美術品が展示されているコーナーが

ありました。

ひときわ目を引いたのがこの日本の屏風。

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これは夫妻が1937年に京都を訪れた際、ヨコヤマ氏という男性から購入した

もので、この男性は『カノー』だ(狩野派のことと思われる)と説明したそうです。

水浴びをするサギと川辺の柳が繊細なタッチで描かれています。


他にはこんな展示も。

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高級品に限らずこんなパンフレットまで大切に保管してくださっているうえに、

さらには夫妻が日本旅行中に撮影した大変貴重なカラー映像も流れされており

うれしくなった私はテレビ画面を見ながらつい学芸員さんと話を咲かせて

しまったのでした。



blog 屏風持って帰るの大変やったと思う。by小次郎
Posted by aomu0815
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