湿地帯と屋根付き橋
ここはニュー・ブランズウィック州とノバ・スコシア州のほぼ州境(NB州側)に

位置する『タントラマー・マーシュ』。

北米大西洋岸で最大規模の『湿地帯』です。

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(少し前に撮った写真です。)

私が初めてカナダ東海岸を訪れた際にまず驚いたのが『この何にもない』感。

日本ではこのように360度どこまでも見渡せる平原ってなかなか見られ

ませんよね。


この『何もない』ように見えるタントラマー・マーシュ。

実は長い歴史がありまして、1670年代にはアケイディアン(フランスからの

移民)たちが住み着いていて、彼らはファンディ湾から入ってくる海水をせき

止めるための堤防や水門を設け、この地を農耕地として利用していたそうです。


しかし18世紀中頃、英国軍による『アケイディアン追放』により彼らはこの地から

姿を消しその後は英国系住民が引き続き農耕地として利用しました。

これは湿地帯で刈られた干し草を保管しておくための納屋。

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20世紀初頭には400以上の納屋が湿地帯のあちらこちらに建っていましたが

馬の需要が激減した(自動車に取って代わられた)今となっては、干し草の

需要も少ないので残された納屋は数えるほどしかありません。

現在のタントラマー・マーシュはもっぱら牧草地として活用されており、豊かな

生態系が見られることから国の野生動物保護地区にも指定されています。


この湿地帯には川が流れています。

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(タントラマー・リバー)


この川にかかっているのがこちらの屋根付き橋。

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この木造の屋根付き橋は1916年に造られたもので、このようなユニークな形の

橋はカナダ東海岸でも珍しくなりつつある風景の一つです。


せっかくですから中を通ってみることにしました。

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なんだか懐かしい感じ!

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この屋根はもともと木造橋自体の寿命を延ばすために作られたものですが、昔の

人たちは馬車移動の道中、休憩所としても利用していたそうです。


何もないように見えて色々な歴史と豊かな生態系を持つこの湿地帯。

近年この地に風力発電用の巨大風車群が立つ計画が持ち上がったりもしている

ようですが、できることならこれからもこのまま何もない感じでいてほしいなあと

心の中で願っています。


blog 何もないって今時逆に贅沢かもよ。by小次郎
Posted by aomu0815
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